木曜の深夜、星空の下で近所を散歩していた時のこと。
住宅街を歩いていたのだけど、
だいぶ遅い時間帯だったので、街はしんと寝静まっていた。
次の瞬間、30mくらい先の茂みの中から
すごい勢いで大型犬くらいの大きさの動物が出て来て、路を横切った。
直後にさらにふたまわりくらいでかいのがもう1匹横切る。
ひづめの音が「ドカドカドカッ!!」
道路の東側の森の中に入って
猛烈な勢いで走り回っている気配がする。
あ然としてその場で立ちすくんでいたら、森の中から
「ゥイー!ゥイー!」
というブタのような鳴き声が。
僕がその場を離れるまで、その鳴き声は何度も繰り返し
夜の街にこだましたのであった。
「ゥイー...ゥイー...」
完
<解説>
一瞬見えたシルエットの形と鳴き声から推測するに
僕が見たのはイノシシだと思います。
(ちなみに、イノシシは「猪(い)の獣(しし)」という意味で
「い」は鳴き声を表した擬声語らしい。)
イノシシは本来昼行性なのだけど、神経質で警戒心が強いので
人間が寝静まった夜に人里に降りてくることがあるみたいです。
すごい勢いで逃げてたのは、警戒心の現れだったんですね。
イノシシの走る速さは、時速約45km(ウサイン・ボルトは時速約40km)
体重は80〜190kgくらい(朝青龍は147kg)あるらしいので
実際に対面すると、はっきりいって生命の危険を感じます。
僕の住んでいる町は、山の麓にあって
一応住宅街と呼べるくらい人家はたくさんあるんですが
この辺にもいるんですね。イノシシ。
久々に自然の生命力を肌で感じた出来事でした。