前回のつづき。
BD作家のおはなしを聞いていて、
マージャンに「地方ルール」があるように
「漫画」も「日本人だけ」に通用しているような
いろんなルール(秩序)があるんだなと再認識したわけです。
僕も見た目以上に中身は日本人なので(←ココ笑うとこ)
知らず知らずのうちにそのルールを
採用している部分もあると思いますが
それの一つに”キャラクター志向”ってのが
あるんじゃないかと思います。
これはもしかすると、アニミズムからきてるのかな。
そのへんの解説は専門家の方に委ねますが
シンポジウムでジェルメーヌさんが言ってたのは、
(これは彼がシナリオライターだから
ということもあるんだと思いますが)
”キャラクターはあくまで物語のために用意するもの”
という意識が強いらしいです。
そこでいうと、漫画やアメコミは
BDに比べてキャラクターを重視している気がします。
「鳥山明のヘタッピマンガ研究所」より
主な理由としては
●漫画が雑誌連載っていう形式をとっている
●キャラクタービジネスがさかん
などが考えられると思います。
でも日本人って理屈抜きで
とてもキャラクターが好きだと思う。
キャラクターやマスコットって、巷にあふれてますよね。
コスプレやフィギュアも好きだし
最近は二次元キャラと結婚しようとする人もいるみたいです。
むしろ、日本人のキャラ好きを含めた指向性が
漫画という表現形態を形作って来た
と考える方が自然なのかもしれません。
BD作家のニコラ・ド・クレシーが、2005年に来日した時の経験を基に
「新しき神々」(『JAPON』に掲載)という短編漫画を描いたことがあったんですが
この作品で彼は、日本人のキャラクター好きを
八百万の神の世界観にも通ずる、一種の”信仰”として捉えています。
「新しき神々」(作・ニコラ・ド・クレシー) より
BDの中にも、もちろんキャラが印象的な作品はあるけど、
漫画やアメコミほどではない。
BDのアルバムっていうのは、要するに
「クリスマスにプレゼントするような物」なんだそうです。
日本でいえば、絵本や工芸品に近い存在なのかもしれません。
シンポジウムに来ていたお三方もまさしく
工房の職人さんみたいな雰囲気でかっこよかったです。